独学でボイトレする人に伝えたい正しい発声を身につける9つのコツ

ボイストレーニング

ボイストレーニングは、歌声という楽器をつくるトレーニングです。呼吸を整えたり、発声に使う筋肉を鍛えたりします。正しいトレーニングを続ければ、きっと効果を実感できるはず。

一方、ボイストレーニングをしてもなかなか上達を実感できない人もいることでしょう。それは、正しい練習方法でボイストレーニングができてないからです。

ボイストレーニング教室に通っていれば、アドバイスをくれたり修正してくれたりします。しかし、たいていの人は独学でボイストレーニングをしているでしょう。ひとりで練習してるうちに、迷子になってしまう人も多いはず。

ここでは、そんな人のお悩みを解決するために、正しい発声を身につけるコツを紹介します。

水をたくさん飲む

アーティストの健康管理は、毎日2Lの水を飲むことから始まると言われてます。ボイストレーニング講師の中には、一日4Lの水を飲むべきと述べる人もいます。水を飲むべき理由は次のふたつです。

Point

  1. 声帯をうるおす
  2. サラサラな痰をつくる

ひとつ目の理由は、乾燥した声帯にうるおいを与えるためです。二枚のひだからなる声帯は、発声をつかさどる重要な器官です。二枚のひだは、高速で振動することにより声をつくります(本来はいくつかの過程を経て発声しますが、簡略化のため説明を割愛します)。

こう言われてもピンとこない人のために、声帯振動をイメージできる簡単な方法があります。あなたの両手を何度もこすり合わせてください。声帯が振動するとき、二枚のひだはこのように何度もこすれ合っています。

一分もこすり合わせると、手が乾燥してきますね。声帯も同様に、振動すればするほど乾燥します。この乾燥を防ぐために水が必要なのです。

ふたつ目の理由は、サラサラな痰をつくるためです。あなたはカルピスや乳製品を飲んだ後、濃い痰がのどに絡んだ経験がありませんか?濃い痰がのどに絡むと、声を出しにくいですよね。

しかし、痰は常に作り出されるもの。発声の妨げにならないサラサラな痰を作り出すには、水を飲むしかないのです。痰の性質には、唾液腺が大きなかかわりを持ってます。身体に十分な水分が行き渡ると、唾液腺にも痰をつくるために必要な水分が供給されます。

ここで問題になるのが、水分が供給される順番です。人は生命を維持するために、心臓や脳などたくさんの臓器や器官に水分を運びます。残念なことに、唾液腺は水を運ぶ優先順位が低いのです。唾液腺に水が運ばれるのは、ほかの臓器や器官に十分な水分が供給された後になります。

唾液腺に水が運ばれなければ、サラサラな痰をつくれません。唾液腺を含めた臓器や器官に十分な水分を供給するために、たくさんの水を飲まなければならないのです。

今までの発声をすべて忘れる

ボイストレーニングをするときは、発声の知識や経験をまっさらな状態にすることが理想です。歌うときに変な癖があると、上達の妨げになります。

僕もボイストレーニングを始めたばかりの頃、発声の癖が抜けずに苦戦しました。自分ではできているつもりでも、録音して聴き返すとひどい有様。トレーニングを続けるほど、癖が悪化します。

今までの発声をすべて忘れるのは難しいことですが、少しでも早く上達したいのであれば実践しなければなりません。ここでは、僕が実践したことを紹介します。

Point

  • 正しい姿勢を心がける
  • 力まない
  • のどが絞まったら歌うのをやめる
  • 高音を張り上げない
  • 声をわざと裏返す
  • ビブラートなどの技術を入れない

正しい姿勢を心がける

歌うときは両足を肩幅くらいに開く、背中は丸めないでピンと胸を張る。これらは、歌の姿勢でよく指摘されることです。あなたも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

正しい発声を身につけるには、姿勢を正す必要があります。正しい姿勢は、全身の脱力につながるからです。正しい姿勢のポイントは、5つあります。

Point

  1. 首を前に突き出さない
  2. 背中を丸めない
  3. 胸を張る
  4. 両足を肩幅くらい開く
  5. つま先に体重をかける

しかし、ボイストレーニングを始めたばかりでは、正しい姿勢があなたにとっての楽な姿勢とは限りません。正しい姿勢が楽に感じられるよう、身体を鍛える必要があります。

姿勢を正すのにオススメなトレーニングは、体幹トレーニングです。ふだんの生活ではあまり使われないインナーマッスルを鍛えられるからです。ボイストレーニングの観点から、3つの体幹トレーニングを実践しましょう。

Point

  1. フロントブリッジ
  2. サイドブリッジ
  3. バックブリッジ

フロントブリッジ

まずは、うつぶせの状態から腰を落として、ひじを立てます。ひじは、肩の真下に置きましょう。次に、腰を持ち上げて、背中、腰、お尻が一直線になるようキープします。腰がのけぞると腰痛の原因になります。お腹に力を入れて、体を支えてください。

はじめは30秒キープすることを目安に、45秒、60秒と増やしましょう。フロントブリッジの間は、自然呼吸をします。

サイドブリッジ

体を横向きにして、ひじを地面に置きます。反対側の手は、腰に添えましょう。お尻が下がらないよう、お腹を持ち上げます。体が一直線になるよう意識してください。

はじめは、この姿勢を10秒キープしましょう。慣れてきたら20秒、30秒と増やしてください。サイドブリッジの間は、自然呼吸をしましょう。

バックブリッジ

仰向けに寝て、両ひざを立てます。脚は肩幅と同じくらい開きましょう。手のひらを下にして、両手を体の横に置きます。その状態から、ひざ、腰、肩が一直線になるよう背中を浮かせます。このとき、ひざの曲がりが90度になるよう意識しましょう。

はじめは、この姿勢を30秒キープ。慣れてきたら45秒、60秒と増やしてください。バックブリッジの間は、自然呼吸をします。

力まない

スポーツの世界では、余計な力が入るとパフォーマンスが下がると言われています。実は、歌や発声でも同じことが言えるのです。歌は、全身を使った運動。体が力んでいれば、思うように声が出ません。

全身を脱力させるには、ストレッチがおすすめ。筋肉の柔軟性も養える一石二鳥のトレーニングです。ここでは、3つのストレッチを実践しましょう。

Point

  1. 体幹を伸ばす
  2. 肩甲骨のストレッチ
  3. 股関節のストレッチ

体幹を伸ばす

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

腕をまっすぐ上に伸ばす。

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

腰から横に倒す。

肩甲骨のストレッチ

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

肩を耳の後ろまで引き寄せる。

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

腕を振り下ろして、後ろで手をたたく。

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

以上を10回繰り返す。

股関節のストレッチ

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

あぐらを組みながら、足をつかむ。

ストレッチ

画像引用:「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」

体を前に倒して、胸と足を近づける。

のどが絞まったら歌うのをやめる

多くの人が抱える悩みのひとつが、のどを絞める発声です。高音が苦しそうに聴こえる、カラオケでは一曲目が一番調子よく歌える、長時間歌ったら声がかれる。これらが当てはまる人は、十中八九のど絞め発声です。

ボイストレーニングの最中に、のどの絞まりや痛みを感じたらすぐに練習をやめましょう。のどは、体の中でも非常に繊細な器官です。癖が悪化するだけでなく、最悪のどを壊す危険もあります。

のど絞め発声を改善するには、Laga-Yaga発声が最適です。Laga-Yaga発声は、アメリカのボイストレーニング講師Eric Arceneauxが勧めるボイストレーニングのひとつです。

動画にあるように、Laga-Lagaと発声するだけでのどを絞める癖が改善されます。ポイントは、あごを動かさないこと。はじめは、あごに軽く手を当てて練習するとよいでしょう。

長年のど締め発声だった僕も、Laga-Yaga発声のおかげで癖が治りました。のどを絞めないで発声するだけで、楽に高音が出せるようになります。のどを絞める癖がある人は、ぜひ実践してください。

Tips

のど絞め発声のデメリットばかり書きましたが、発声法自体は悪ではありません。演歌などでは、わざとのどを絞めて発声するテクニックがあります。表現のひとつとして、のどを絞める分には問題ありません。

高音を張り上げない

高音を出すには、声帯を引っ張らなければなりません。肺から送られた空気が声帯にぶつかることで空気が振動、音程がつくられるというわけです。

イメージとしては、ギターの弦でしょうか。弦をピンと張るほど、高い音が出ますよね。声帯でも似たような現象が起きています。声帯にぶつかった空気の振動数が大きいほど、高い音が出ます。

高音を張り上げるように出す人は、声帯を引っ張れてません。力を入れることで声帯を絞める、大きな声を出して大量の空気を声帯にぶつけるなどして、空気の振動数を無理やり稼いでます。

張り上げる発声の予防策は、あなたが楽に発声できる音域を知ることです。やり方はいたって簡単。斜め上を向きながら発声するだけです。傾ける角度は30~45度くらいで十分。

このまま、ピアノなどを使いながら音域を確認しましょう。徐々に音程を上げていくと、声が裏返る、もしくは声量が小さくなる音程があるはずです。その音程こそ、あなたが楽に出せる音程の限界、本当の音域になります。

ボイストレーニングのときは、音域内の練習を心がけましょう。トレーニングを積めば、どんどん音域が広がります。音域の広がりを感じたら、先ほどの発声法で確認してください。

せっかくなので、音域を広げるボイストレーニングも紹介します。声帯を引っ張る筋肉を輪状甲状筋と呼びます。輪状甲状筋を鍛えるには息漏れのある裏声が効果的です。

しげ

息漏れのある裏声ってどうやって出すの?

はじめに口を大きく開けます。口先は軽くすぼめてください。あとは、フクロウのように「ほー、ほー」と裏声で発声しましょう。これが、息漏れのある裏声です。

息漏れのある裏声は、輪状甲状筋を最も鍛えることができる発声です。発声したとき、輪状甲状筋だけを動かすので非常に効率的。ただの裏声よりも息を多めにすることで、のどに負担をかけず練習できます。

「ほー、ほー」という発声は、三重大学の弓場徹教授が考案したボイストレーニングです。彼のボイストレーニングは、YUBAメソッドという名で親しまれています。

彼の著書「奇跡のボイストレーニング」は、音域を広げるためのノウハウが詰め込まれています。僕も実践したところ、効果を実感できました。高音を出したい人には、オススメの一冊ですよ。

声をわざと裏返す

張り上げ発声のもうひとつの予防策は、声をわざと裏返すことです。カラオケで歌っているときに思わぬところで声がひっくり返ると恥ずかしいですよね。

しかし、ボイストレーニングでは、声が裏返ったところで痛くもかゆくもありません。むしろ、張り上げ発声の改善に一役買います。

斜め上を向いて発声したときに、あなたが楽に発声できる音域を確認したはずです。もし音域を超えて練習するときは、声をわざと裏返してください。

裏声は地声よりも、のどへの負担が軽いのでケガの心配もありません。のどや声帯は繊細な器官なので、傷つけないよう注意して練習しましょう。

ビブラートなどの技術を入れない

ビブラートやこぶし、フェイクなどは、歌を華やかに飾る技術です。使いこなせれば、歌が格段に上手く聴こえること間違いなし。

一方、ボイストレーニングでは、歌の技術が必要ありません。ボイストレーニングとは、歌声という楽器をつくるトレーニング。歌い方、歌の技術を練習するのは、ボーカルレッスンです。

楽器をつくる前に、使い方を学んでも効率が悪いですよね。歌の上達には順序があります。確かにビブラートなどの技術を少しでもできれば、以前よりも上手に聴こえるかもしれません。

しかし、歌の技術を使いこなすには、正しい発声や呼吸法、柔軟な筋肉などが必要です。土台が不安定であれば、不完全な技術しか身につきません。まずは楽器づくりに専念しましょう。

毎日練習する

ボイストレーニングは、週に1回3時間みっちり練習するより、毎日5分でも練習する方が上達が早いです。トレーニングの大半は、発声に必要な筋肉を鍛えるメニュー。もはや筋トレですね。

しげ

昨日3時間練習したから大丈夫

勉強では一夜漬けが通用するかもしれませんが、ボイストレーニングでは通用しません。毎日コツコツ努力する人が、必ず報われます。

あなたの中で最低限実践するボイストレーニングメニューをつくると、継続しやすいですよ。参考までに、時間のないときに僕が実践するボイストレーニングを紹介します。

Point

  • 肩甲骨のストレッチ
  • フロントブリッジ
  • 肺活量、横隔膜の強化
  • リップロール
  • タングトリル
  • 息漏れのある裏声

以上のメニューであれば5分ほどで完了するでしょう。入念に取り組んでも10分程度です。あなたの課題や目標に合わせて、継続しやすいボイトレメニューを考えましょう。

歌いすぎない

発声に欠かせないのどや声帯は、非常に繊細な器官です。あなたも、しゃべりすぎて声がかれた経験はありませんか?

強靭なのどを持っている、ふだんからトレーニングを積んでいる人を除き、ボイストレーニングでは長時間歌わないよう心がけましょう。

少しでものどに違和感を感じたら、すぐに練習をやめます。のどに痛みを感じた場合、回復するまでは練習を休みましょう。

のどを万全の状態に保つこともボイストレーニングのひとつです。負担をかけすぎないよう、トレーニング時間を管理してください。

せっかくなので、僕が愛用しているのどをケアするアイテムを紹介します。

Point

  • 龍角散
  • 鼻・のど甜茶飴
龍角散

画像出典:Amazon

ゴホン!といえば龍角散。のどをケアする最強アイテムのひとつです。のど飴やタブレット、トローチや粉末など種類も豊富。はじめは独特のにおいと苦い味に、ウッと感じるかもしれません。しかし、慣れてしまえばクセになること間違いなし。粉末タイプが最も効果を実感できます。僕も粉末の龍角散を常備してます。

森下仁丹 鼻・のど甜茶飴

画像出典:Amazon

森下仁丹が販売する鼻・のど甜茶飴。歌手や声優、歌舞伎役者など声のプロが愛用する逸品です。一度は生産終了になりましたが、歌手の森山良子さんが再販を直訴して見事復活。味は龍角散よりもクセがあります。その分効果も絶大。ひとたび舐めれば、のどがスッキリ爽快。龍角散と双璧をなす、のどをケアする最強アイテムです。

まとめ

ここでは、正しい発声を身につけるコツを紹介しました。

Point

  1. 水をたくさん飲む
  2. 今までの発声をすべて忘れる
    • 正しい姿勢を心がける
    • 力まない
    • のどが絞まったら歌うのをやめる
    • 高音を張り上げない
    • 声をわざと裏返す
    • ビブラートなどの技術を入れない
  3. 毎日練習する(ボイトレメニュー例)
    • 肩甲骨のストレッチ
    • フロントブリッジ
    • 肺活量、横隔膜の強化
    • リップロール
    • タングトリル
    • 息漏れのある裏声
  4. 歌いすぎない

ボイストレーニングとは、歌声という楽器をつくるトレーニングです。効率よく上達するには、今までつくった楽器を一度壊す必要があります。発声方法を修正するより、0からトレーニングを積むことをオススメします。

僕も、独学でボイストレーニングを続けていたために、ずっと間違った方向へ進んでました。のどを絞める癖を直さないまま、高音を出す練習をしていました。結果、力を入れないと歌が歌えなくなるという始末。苦しそうに歌うので、聴こえも最悪です。

この記事は、僕みたいな人をこれ以上増やさないために書きました。正しい発声のコツは、理論や仕組みを理解してトレーニングを実践することです。

このトレーニングは、このような効果がある。頭で理解しているのと理解していないのとでは、成果が段違いです。

最後にもうひとつ。理想的なボイストレーニングは、アドバイスや意見をくれる人が身近にいることです。間違った方向に進んでも、修正してもらえる環境に身を置けば最速で上達します。

僕自身、ボイストレーニング教室に通うことで、これまで以上に改善されました。やはりプロにしか気がつかないことがたくさんあります。発声法などは、本人の感覚に依存するところが大きいので、フィードバックをもらえる環境の大切さを実感しました。

ほとんどのボイストレーニング教室は、無料体験レッスンが用意されてます。実際に体験したところ、無料とは思えない内容だったので即入会しました。

あなたも、確実に上達したいのであれば、ボイストレーニングに通うことを強く勧めます。まずは、無料体験レッスンでプロの指導を実感してください。

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