アカペラバンドクリニックから学んだ上達に不可欠な17の教訓(前編)

アカペラの練習方法

こんにちは、Groovy grooveのしげ(@groovygroovemsc)です。先月開催したアカペラバンドクリニックのモニターに参加してくださったみなさま、ご協力ありがとうございました。みなさまのおかげで、正式にサービスを提供することができます。

バンドクリニックを通して、僕たちもたくさんの学びがありました。ここでは、協力してくださったみなさまに少しでも還元できたらな、ということで練習のアドバイスをまとめました。細かい点は違えど、ほとんどのバンドに共通していたことです。

アドバイスを一気に書きたかったのですが、あまりにも長すぎるため前編・後編に分けて紹介します。モニターに参加してくださった方はもちろん、思うように上達せずに悩んでる方も、ぜひ参考にしてください。

練習について

ふだんの練習についてのアドバイスは次の3つです。

Point

  • 通し練習より部分練習を心がける
  • 練習には積極的に参加する
  • 理論はいったん置いておく

通し練習より部分練習を心がける

アカペラが上達するには部分練習が欠かせません。細かな改善点を見つけては、それらを虱潰しに修正していくという反復練習が必要です。

まずは、和音がきれいに聴こえない、テンポがくずれてしまうなどの問題を探しましょう。ぶつかる和音やサビのテンポは難易度が高いですね。

改善点を見つけては、細かく区切って練習してください。アレンジにもよりますが、だいたい4小節ごとに区切ると練習しやすいです。4小節分の演奏が安定したら、前後4小節も含めて練習する。このように練習するフレーズを徐々に増やしていきましょう。

練習には積極的に参加する

練習中に意見を求めても、みんな黙ってしまう。あなたもこのような経験をしたことがありませんか?

思うように上達しない原因のひとつは、受け身の姿勢で練習していることです。演奏やアレンジについてのアドバイスをいつまでも待っていては時間の無駄。もっと上手になりたいのであれば、自ら練習に参加する必要があります。

はじめは突拍子もないことを言うかもしれません。それでも構わないのです。もし見当違いなことを言っても、ほかのメンバーが指摘してくれるでしょう。

問題は黙っていることです。沈黙は、それだけで他人にプレッシャーを与えます。せっかくアカペラをするのであれば、和気あいあいとしたいですよね。

練習中に気がついたことがあれば、演奏を止めて発言しましょう。何度か繰り返すうちに、的確なアドバイスができるようになります。

理論はいったん置いておく

音楽に正解はありません。しかし、初心者のうちは不安も募るため、正しい道を求めてしまいます。音程やテンポは、すでに基準が決まっているため正解がありますね。

一方、表現やアレンジについてはどうでしょうか?

ある曲をアカペラで歌うとしても、バンドや編曲者によって出来上がりは千差万別です。例えばこんな感じ。

ここでは、僕が大好きなPentatonixとVoicePlayの演奏を参考にします。彼らはOMIのCheerleaderという曲をカバーしてますね。聴いてわかるように、同じ曲にもかかわらずそれぞれ別のアレンジに仕上がってます。彼らのうちこっちが正解、とは言えませんよね。

あなたのアカペラについても同じことが言えます。このような曲だからこうしなければならない、ということはありません。理論や固定概念にとらわれては、教科書通りの味気ない演奏しかできません。

何が正解かを求めるより、あなたがどうしたいかを考えながら練習に臨みましょう。

演奏について

演奏についてのアドバイスは以下の6つです。

Point

  • まずは音程とテンポを合わせる
  • イントロ・アウトロを重点的に練習する
  • ブレスの位置を決める
  • 休符をしっかり歌う
  • お互いのパートを聴けるようになる
  • 自分たちの演奏を厳しく聴く

まずは音程とテンポを合わせる

表現の練習に入るには、音程とテンポを合わせなければなりません。これらをないがしろにしては、いくら表現を凝ってもカッコつかないのがオチです。

特にアカペラを初心者は、音程やテンポに対する不安が顔に出やすいです。うつむきがちで険しい表情のまま歌っていては、せっかくの楽しいアレンジが台無しです。

音程とテンポであれば誰かにアドバイスをもらわずとも、あなたたちだけで改善できます。先ほども書いたように、これらは正解があるのです。音程を合わせるのであればピアノやキーボード、テンポを合わせるのであればメトロノームを使って練習してください。

イントロ・アウトロを重点的に練習する

イントロとアウトロは、曲の中でも重要な役割を果たしています。開始5秒でお客さんが曲を聴こうか判断するフレーズがイントロ、「終わり良ければ総て良し」を体現しているフレーズがアウトロです。これらの完成度が低ければ、誰も耳を傾けてくれません。

イントロを歌うときは、出だしの一音目を大切に歌いましょう。音程はもちろんのこと、入るタイミングも完璧にしてください。イントロが上手か下手かは一発で分かります。部分練習を何度も繰り返し、歌いこなしてください。

曲を締めくくるアウトロは、ほかのフレーズと比較すると難易度が高いです。曲の最後に来るほど、息も切れがちですし疲労もたまります。アウトロを練習するときは、これらのことを考慮しなければなりません。

しげ

じゃあ、どうすればいいの?

部分練習で詰めていくまではイントロと同じ、そこから先を工夫します。アウトロを完璧に歌えるようになったら、前のフレーズから続けて歌いましょう。たいていの場合は大サビですかね。大サビから通して歌えるようになったら2番も含める。

このように通して歌うフレーズを徐々に増やしていきます。最終的には、一曲を通して歌えるよう頑張りましょう。

ブレスの位置を決める

適当な位置でブレスをしては、曲のテンポをくずす原因となります。特にベースのブレスが適当だと、曲にノリが出ません。絶えず刻み続けるベースラインであれば、なおさらです。最低でも2小節、息が続くようであれば4小節をひとつの塊と考えてブレスしましょう。

ブレスの位置

ベースのブレス位置が決まったら、ボイスパーカッションに伝えてください。ベースとボイスパーカッションは、リズム隊と呼ばれます、グルーヴのある演奏のためには、彼らの連携が必要不可欠です。お互いにブレス位置を共有することで、演奏に一体感を出しましょう。

リズム隊におけるブレスの考え方は2つあります。ひとつは、お互いに同じ位置でブレスをすること。もうひとつは、ベースのブレスをボイスパーカッションが補うことです。ブレスのためベースラインに空いた穴を、ボイスパーカッションの音で補強します。

Tips

低音をガンガン利かせるならバスドラム、ノリをつなげたいのであればハイハットなどアレンジによって音を使い分けましょう。

休符をしっかり歌う

楽譜におこされた音符はもちろん、休符も歌う対象です。しかし、いきなり休符を歌えと言われても意味が分からないですよね。

しげ

休符ってどんな感じで歌えばいいの?

休符を歌うには、次の3つを心がけてください。

Point

  1. 休符の間もリズム・拍を感じ取る
  2. 休符に入るタイミングを決める
  3. 休符後のタイミングを合わせる

1つ目は、休符もリズムのひとつとして感じることです。休符はただの休みではありません。音がないだけで、曲は続いています。どのタイミングで休符が来るのか、しっかりと把握しましょう。

Tips

ストップモーションの場合、休符時にあえてリズムを感じないという表現もあります。曲が中断したと見せかけて、すぐさま次に展開する。決まれば最高にカッコいいですよね。休符の感じ方はアレンジによって異なりますので、編曲者の意図を読み取ってください。

2つ目は、休符への入り方です。言い換えると、直前の音をどのように歌うかですかね。例えば、次のような楽譜があったとしましょう。

休符の説明

あなたは、休符直前の音をどのように歌いますか?

徐々に音量を下げていくのか、楽譜通りにきちんと伸ばすのか。歌い方は、表現やアレンジによって様々ですね。直前の音をどのように処理するかで、休符への入り方が変化する。この考えを踏まえて、休符直前の音を歌いましょう。

3つ目は、休符後のタイミングを合わせることです。2つ目は休符直前の音でしたが、ここでは休符直後の音を考えます。基本的な考え方は、2つ目と同じです。

休符の説明

あなたは、休符直後の音をどのように歌いますか?

出だしの音をハッキリ歌うのか、弱めに発音して徐々に音量を上げるのか。少し考えるだけで、数多くの表現ができそうですね。

歌い方はもちろん、出だしのタイミングも完璧に合わせてください。特に段々と音量を上げる表現をする場合は注意が必要です。弱めに発音する分、タイミングを合わせるのが難しいです。メンバー全員で話し合いながら、最適な歌い方を見つけてください。

お互いのパートを聴けるようになる

一体感のないアカペラの原因は、お互いのパートを聴けてないことです。自分のパートばかりに集中すると、どうしても個人で演奏しているように聴こえます。アカペラは、複数のパートがハーモニーを織りなすことで初めて成り立ちます。

しげ

ほかのパートを聴くには、どんな練習をすればいい?

お互いのパートを聴くためには、耳を慣らす必要があります。まずは、各パートをいくつかのグループに分けて練習しましょう。ちなみに、自分のパートを問題なく歌えることが前提ですよ。

Point

  1. リード
  2. コーラス陣(1st, 2nd, 3rd)
  3. リズム隊(ベース、ボイスパーカッション)

リードについては、いったん保留にします。コーラス陣とリズム隊は、相手のパートに耳を傾けながら演奏するよう心がけてください。コーラスが3人以上の場合、2人ずつに分けて練習するとよいでしょう。例えば、1stと2nd、1stと3rd、2ndと3rdの組み合わせからかためる、という具合です。

コーラス陣が安定したら、リードも合流しましょう。最後にリズム隊も合わされば、出来上がりです。

はじめは時間がかかりますが、耳が慣れてしまえば自然と聴けるようになります。タイミングを合わせる際には、互いのパートを聴く必要があるので、集中して取り組んでください。

Tips

練習してもできない、という人はほかのパートも暗譜しましょう。ほかのパートが鳴っていても、自分のパートを迷わず歌えるまで個人練習をします。あなたがベースであれば、ボイスパーカッションのリズムパターンを覚えてください。特にメロの切り替えやフィルインは把握するようにしましょう。

自分たちの演奏を厳しく聴く

アカペラに限らず、歌や楽器が上達するコツは、自身の演奏を厳しく聴くことです。完成度の基準が低ければ、それ相応の演奏しかできません。練習に自信を持ち込むだけ無駄です。現状維持で満足していては、思うように上達しないでしょう。

練習するときは、自分たちの演奏を批判する気持ちで聴きましょう。ふだん適当にしていた部分が浮き彫りになるはずです。改善点を見つけては、とにかく部分練習。誰が聴いても納得できるまで詰めてください。

しげ

そうは言っても、完成度を判断できる自信がない

自分たちの演奏を厳しく聴くためには、耳を鍛えなければなりません。僕の場合、プロのアカペラを聴きまくって耳を鍛えました。ふだん聴くアカペラが世界最高水準の演奏であれば、自分たちの演奏に物足りなさを覚えるはずです。

あなたの理想を高く掲げてください。理想が高ければ高いほど、自分たちの演奏を厳しく聴くことができます。憧れのグループに近づくためには、どこを詰めればよいのか、常に考えながら練習するとよいでしょう。

Tips

耳を養うには、好きなアカペラグループを見つけることから始めましょう。僕たちはリズミカルなポップスが好きなので、PentatonixやVoicePlayを聴いてます。あなたがやりたい演奏や歌っているアレンジに近いグループを見つけるとよいでしょう。

まとめ

ここで紹介したアドバイスは以下の通りです。

Point

  • 練習について
    • 通し練習より部分練習を心がける
    • 練習には積極的に参加する
    • 理論はいったん置いておく
  • 演奏について
    • まずは音程とテンポを合わせる
    • イントロ・アウトロを重点的に練習する
    • ブレスの位置を決める
    • 休符をしっかり歌う
    • お互いのパートを聴けるようになる
    • 自分たちの演奏を厳しく聴く

前編では、練習と演奏の2点に絞ってまとめました。後編では、表現とリズム、アレンジの3点を紹介します。こちらも参考にしてください。

アカペラのアレンジ方法アカペラバンドクリニックから学んだ確実に上達する17の教訓(後編)

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